課題の『京都の中華』はこのお店から
昨年訪れた萬屋は九条葱をたっぷりと使ったうどん。その先にある翠雲苑は広東料理のお店。なんでも祇園などではニオイの出る素材を使わなく、しかも鶏ガラと昆布だしの中華になっているとのこと。なるほど京都らしいなぁと納得し京都の中華のはじめはこちらと決めていた。
案内されたのは個室
中庭を挟んで奥の座敷は婚約の内祝いをしていて晴れがましい。一方私はこじんまりとした個室に案内される。開店直前にお邪魔したせいもあっておひとりさま気分。
九条葱と蒸鶏を熱々のピーナッツオイルでしんなりと
出汁の利いたスープに九条葱と蒸し鶏を熱々のピーナッツオイルをかけてしんなりさせた甘さが交じると、いやもぉとんでもなくおいしい。一味も二味も違う奥ゆかしさから浮き上がる滋味にすっかり夢中になってしまった。麺を九条葱と蒸し鶏に合わせて口へ運ぶだけでなんともいえない香りに包まれてしまう幸せ感は初めての経験。何度も一人頷いて、ああ、これだよ、これなんだよと。
シュウマイとりんごの春巻き
良心的な価格の税込みで1,500円のランチセット。メインを選び、点心はシュウマイ。テーブルに配膳されたカラシをちょんとつけて九条葱をたっぷりと使いふわりとしたシュウマイと九条葱の食感を楽しむ。カラシの横には胡麻をたっぷりと入れた食べる辣油。麺に少しだけ入れてアクセント(あまりにもおいしいのでお会計の時に分けていただいた)。デザートはりんごの春巻き。パリッとした皮とりんごの酸味がなんとも贅沢。
中華というと豪華なものを思い浮かべるかもしれないけど、ここにはそのようなものはなく、誰でも知っているお料理をきちんと味わえる場所。日常であって日常でもない、アジア系観光客のお多い祇園の喧騒も喧騒も届かない静かな佇まいも、今の世の中とても貴重だと思う。
■翠雲苑
京都市東山区祇園花見小路四条下ル二筋目西入ル
http://www.sui-un-en.com/
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