究極の決断にかけられた疑惑
「グラン・トリノ」「人生の特等席」「アメリカン・スナイパー」とつながる周囲の理解が得られない孤高の男の物語。バードストライクで飛行不能に陥ったUS1549便がハドソン川に胴体着水。その究極の35秒間の判断は果たして正しかったのか…を主軸に機長の葛藤と国家運輸安全委員会(NTSB)の厳しい追及。
その結末はネタバレになるので言及しませんが、トム・ハンクス、アーロン・エッカートの硬質な演技と共に、よくぞ96分に収めたとイーストウッド監督の手腕に、エンドロール前には不覚にも涙してしまいました。
MAXで撮影された映画はIMAXで
なんでも監督にとって初めてのIMAXカメラで撮影。それならばとIMAXで観ましたが、その迫力は後半になるほど極まって震えるほどでした。原作のタイトルが『Sully』の方が良さを際立たせていると思う。公聴会の最後に副操縦士のジェフが国家運輸安全委員会の女性からこんなことを聞かれて、
「最後に何か言いたいことはありますか。もしもう一度同じ目に遭ったらあなたはどうしますか」
「そうだなあ、(同じことをするなら暑い)7月にやるかな」
こうしたやり取りや、胴体着水した時にいち早く駆けつける船舶などのヒューマニズムを絡め驚くほどの映画を撮るイーストウッドとは恐るべき存在だ。
↑は実際の事故の様子と無線記録の様子。生々しくて息が詰まりそうだ。
今年は『リップヴァンウィンクルの花嫁』『シン・ゴジラ』と素晴らしい映画が多い中、今のところ今年のベストかな。
■ハドソン川の奇跡
http://wwws.warnerbros.co.jp/hudson-kiseki/
■トム・ハンクス&アーロン・エッカートインタビュー
http://news.mynavi.jp/articles/2016/09/24/tom_aaron/
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