いかにもイーストウッドらしい
巧妙で力強い演出と撮影(トム・スターン)に引き込まれて最後まで一気に。「父親たちの星条旗」でも「グラン・トリノ」でも描かれていた兵士の後遺症。「ダーティー・ハリー」の連続射殺魔スコルピオにキャスティングされたオーディー・マフィー(撮影直前に飛行機事故)にも重なるテーマ。
戦争がひとりの人物に与えるダメージが明らかになるが、家族全体に与えるプレッシャーも描かれている。戦場へ送り込まれるときに、どれだけの危険があるのかを思い出し、そして、彼らが払う犠牲を再認識することは大切だ。
(イーストウッドインタビューより)
敵のスナイパーを狙撃した後の砂嵐の脱出に胸が苦しくなるほどの鼓動、妊娠中の妻との衛星電話での会話中に始まった戦闘、ジェリー・ジェフ・ウォーカーのポスター、奥さん役シエナ・ミラーの透明感。自分の子ども、兄弟がこれから戦場に行かされるために社会を変えようと仕組まれている今、じっくりとこの映画のテーマを考えてみたい。プロダクション・ノーツも読み応えがあり、音楽の使い方(ヴァン・モリソン「Someone like You」、モリコーネ、エンドロールの無音)もいい。
■アメリカン・スナイパー
http://wwws.warnerbros.co.jp/americansniper/
http://wwws.warnerbros.co.jp/americansniper/production_notes.pdf
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