ゆるい緊張感から心を揺り動かされることって
まぁ、色んな意味で飲食関係の方々とお付き合いもあるのですが、その裏事情も知ると、ああ、大変なこともあって、いや、それだからこそひとつのお皿に込められた思いや情熱と知ることによって、襟を正したくなることが多いです。ファッションや音楽も浮き沈みや、後には残らないライブならではの臨場感や切なさを知ることによって生まれる=自分の心に残るものに委ねてしまうことも多く、SNSDのコンサートでのティパニの笑顔、キリンジの兄弟のゆるい緊張感からも心を揺り動かされてしまうんです。
上品でクリーミーな白湯スープを一口したときの衝撃
こってりとしたようなスープをまず一口。おお、と思いでもう一口。ああ、これでもう十分なほどだけど、いやもっと深みのある世界があるのではと、麺をからめて一口。しばし、沈黙。一気に食べてしまうのがもったいないほどの味わい。多くを語らず多くを語る、静かな佇まいはいままで味わったことのないほど。食べ終わった人らが「おいしかったです、ありがとう」と声をかけて席を立つほど。自分の言葉でその思いを伝えられないことがもどかしくなるほどです。かいわれ大根、筍、キヌサヤ、トッピングの青葱にも程よく心がこもっていているんです。うん、これは仙台の「麺屋 誠和」以来の衝撃。
サイドメニューの卵かけごはん
小三治さんに教わったとおりに卵を(かき混ぜずに)そのままご飯にかけて黄身をつぶしてかき混ぜ、専用の醤油をほんの少し。この専用醤油が、どんな卵かけごはん醤油と比べることが出来ないほどで、ご飯がすすみます。ご飯を少し残し白湯スープにいれておじや風にしても、これまた旨いんです。
誠実ということ
寡黙に厨房に立つ二人、手際よく注文をさばく女性(笑顔がかわいい)、僅か8人分の席がないコ型のカウンター、荷物置きや衣紋掛けも用意されて、隅から隅まで気が配られている店内。誰かが私に教えてくれた「料理人の誠実」というのを実感出来ました。こういうのって、どんな仕事にでも当てはまり、そこで寡黙に働いている人たちへの誠実さが伝わることも大事なんだなぁ...と、数週間のことすらも思い出しました。まぁ、聞いた話ですが、会社の金で飲み食いゴルフが大好きで頓珍漢な言動を繰り返しおまけに仕事中は堂々と船を漕いでいる社長が今でもいるらしいですが、こういう場所見せてあげたいです...。うまぁ、お馬鹿な人の話はともかくとして、他に煮干系もあるので並ぶの覚悟でまた行ってみたいと思います。
■銀座 篝
・住所:東京都中央区銀座4-4-1 銀座Aビル 1F
・時間:11:00~15:30 17:30~22:30 / 土・祝 11:00~15:30 17:30~21:00
・定休日:日曜日
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