ブライアン・デ・パーマが惑わすナンシー・アレンの魅力
全てのナンシー・アレンを観ているワケではありませんが70年代の、とりわけブライアン・デ・パーマが撮ったナンシー・アレンのぞっこんです。
『キャリー』1976
『悪夢のファミリー』1980
『殺しのドレス』1980
『ミッドナイト・クロス』1981
『悪夢のファミリー』は残念ながら未見ですが、連続してブライアン・デ・パーマの作品に出演。『キャリー』ではキャリーをいじめる同級生をコケティッシュに。悪くて意地悪でキャリーを追い詰めて行きますが、最後のハラハラドキドキなんて、ああそこまでしなくていいのに...と。『殺しのドレス』はたまたま殺人を目撃してしまった娼婦役。刑事役のデニス・フランツとのテンポのいいやりとり、少年役キース・ゴードンへのやさしいさ、そして、犯人との色っぽい駆け引き。すれすれの会話が出来るのもナンシー・アレンの美貌が(少し安い感じもする=そこがいい)あってこそでしょう。
ふたたびトラボルタと組んだ『ミッドナイト・クロス』では、殺されてしまう娼婦を演じています。どことなく哀愁もあって特に感情移入してしまう場面も多くて大好きな映画です。舌っ足らずな喋り方も役柄にあっています。ラストの花火、回転するカメラに写される二人の姿に思わず涙です。忘れられないシーンって色々ありますが、このラストも思い出したように何度も観たくなります。
この頃の映画は、ややもすると説明過剰になる最近の映画と違って、間やあえて説明していない部分にも魅力があっていいですね。ズームアップ、ズームイン、回転、長回し...ブライアン・デ・パーマの眩暈すら覚えるカメラワークに翻弄されてしまいます。『ミッション・インポッシブル』『アンタッチャブル』のような大作よりも、最近なら『ファムファタール』『ブラックダリア』のような小品の方がブライアン・デ・パーマらしさが出ているようですね。もうそろそろ、新作がでてもいい頃なんでしょうけど。
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