ところが、さらりと演っているような演奏を聴き込むと、軽やかでシャープなノリに加えて、変に情緒に流されない程にタイトなリズムに、独特のクールネスを覚え、思わず冷たい汗をかきそうです。カラフルなピアノやバリトンサックスと対比すると一層そう思えてしまいます。メジャーシーンにいながら新しいエッセンスを取り入れ、なおかつオルケスタの個性を失わない。『プエルトリコ・ホット・サルサ』というビデオの中で見せた辛辣な姿勢を思い出します。そして、来日時のエル・グラン・コンボのラファエルイテエールの幾つかのインタビューと重ねてみるならば、バンマスの意地みたいなものが浮び上がってくるのではないでしょうか。
くしくも同じ頃、元ウィリー・ロサーリオのプリミ・クルースのソロを手にする事が出来ました。ほとんどウィリー・ロサーリオの35周年アルバムと同じプロダクションです。アレンジャーもベストと呼べそうなメンバーで今のプエルトリコを代表する内容に仕上がっています。こちらは、ウィリー・ロサーリに比べてロマンチックな部分がより強調されていて、フランキー・ルイスの好きな人にはたまりません。
35 ANIVERSARIO "TRADICION CLASICA" / WILLIE ROSARIO (NRT 1005) 1993
PRIMI CRUZ / PRIMI CRUZ (NRT 1008) 1993
93/9//15 NiftyのフォーラムへUPした文章です。
DVDも入った新譜は残念ながら未聴です。その代わり佐貫氏に借りているソノーラ・ポンセーニャ を毎日聴いています。そのポンセーニャも結成50年目になっているようです。パポ・ルッカも意地でもバンドを止めないないんだろうな、タイトで衰えを微塵にも感じさせない新譜を聴いていると、そんな思いをヒシヒシと感じました。
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